発達に凸凹のある子どもの『できない』『苦手』の中でも、
親のイライラの原因になりがちなお片付け問題。
毎日毎日、
「片づけなさい!」
「片づけて!」
「片づけないと捨てちゃうよ!」
こんな声かけの繰り返し。
何回言っても片づかないし、やってくれない。
お互いがイライラして喧嘩になりがちです。
将来、自立するために出来て欲しいスキルの一つが片づけですね。
ライフオーガナイザー®、
発達障害住環境サポーターでありなら、
私自身も、
発達に凸凹のある子どもを持つ親の一人です。
この記事が、同じ様に悩む皆さまのお役に立てると幸いです。
よくあるお片付けの悩み
1,机の上がきたない
気がつけば机の上がてんこ盛りの山。
机が見えないほどに。
子供にとっては宝の山かもしれませんが、大人から見たらガラクタの山。
そこには多種多様なものが存在します。
もはや雪崩が起きないのが不思議なくらいです。
このような部屋で困るのは以下の3つ。
- 本来やるべきことになかなか到達できない
- たくさんのものが視野に入ると集中力に欠ける
- たくさんの情報からストレスを感じる
スッキリさせたいですよね。
部屋の床がきたない
基本は床置き。
床に全てを置くので、
洋服も、筆記用具も、本も、ゲームや携帯も、床に・・・
ゴミがゴミ箱へ入れられないで、床に散乱なんてことも。
床にものがあると掃除がしずらくなります。衛生面でも気になりますね。
床に置いてあるものの置き場所が、きちんとわかりやすい場所にありますか?
戻しにくいといった、何か原因があるのかもしれません。
- 置く場所を作っていない
- 収納場所に扉があり、それを開けるのがめんどくさい
- 戻す位置が遠い
などなど、
そこに戻せない原因が、隠れています。
クローゼット、タンスがぐちゃぐちゃ
クローゼットを開けると、ハンガーから洋服は落下し床でシワシワ・・
タンスの中はたくさんのものが詰め込まれ、出したりしまったり、もはやぐちゃぐちゃになっている・・・。
こうなるのは、
- クローゼットの中にたくさんのもの詰め込まれてる
- ハンガーなどが掛けづらかったり、使いにくい
- タンスの引き出しが開けづらい
- どこに何が入っているかわからない
探しているうちにあちこちあさって、
ぐちゃぐちゃになり元に戻せない・・・という悪循環が起きてしまいます。
どうしてお片付けが苦手なの?
発達障害の子の特性
一般的に、発達障害の子どもはお片付けが苦手と言われています。
人によって様々ですが、いろんな理由が考えれます。
- 片づけの必要性がわからない
- 見えないものが認識しづらい
- 目に見えないことによる不安
- こだわり
などなど・・
収納ケースなどに入れてしまうと、一見綺麗に片づいたように見えますが「見えなくなると、分からなくなる」ということがあります。
また、目に見えない事による不安が出しっ放しになり、強いこだわりがあったりします。
たくさんのものが出しっ放しだと、
たくさんの色や物の量から「視覚情報が入り過ぎる」ということもあります。
そんな環境の中では気が散りやすく、
疲れやすくなったり、さらにストレスになりかねません。
散らかった部屋は、生活の困難さや安心感の得られない心理状態にもつながります。
本人が生活に困らない環境で、ストレスなく生活できることが一番です。
今すぐできる!5つの解決策
まずは、
発達凸凹の特性に配慮した片づけが必要だということを、理解してあげましょう。
1,まずは小さなスペースから
親としては、お部屋全体の様子が気になりますよね。
片付いている部屋のイメージが、あるからです。
でも、最初から部屋全体が完璧に片付いている状態を目指すのではなく、まずは小さなスペースから少しずつ始めましょう。
2,視覚支援
見えない物を見えやすくするために、そこに入っているものを可視化してみてください。
<具体的な方法例>
- 収納容器を透明なものに変える(中身が透けて見える)
- 納場所に中身が外からわかるようにラベリングする(字やマーク、写真など貼る)
- 洋服は畳んで収納せずハンガー収納にして形が見えるようにする
収納ケースに入っているものが、見えないのでわからない・・・をなくすために、視覚支援をしてみましょう。
3,子どものやり方を見つける
片づけてもすぐ戻る場合は、片づけ方があっていない可能性があります。
その場合、出来ない子供を責めることや、怒っても逆効果。
なぜやらないのか?を、
見極めることが必要になってきます。
- その収納は本人にとってやりやすい方法ですか?
- お母さんのやり方を押し付けてませんか?
自分にとって楽だと思う片付け方が、必ずしも子どもにとって簡単な方法ではない・・・ということもあります。
まずは、
『簡単に出し入れできている?』
『何がめんどくさいか?』
子どもに聞いてみましょう。
大人が自分のやり方を叩き込むより、
本人にとってやりやすい方法・わかりやすい方法を見つけるほうが、実は近道だったりするのです。
時間はかかりますが、本人に寄り添うことが、とても大切なのです。
4,余裕がある時にやる
『いますぐ片付けて!』と言ってしまいがちですが、
片づけ作業をやる時は大人の都合ではなく、
本人に余裕がある時に、一緒に行うことが大切です。
疲れているときや、
本人に余裕のないとき、
片づけはとっても大変な作業になってしまいます。
タイミングを見極めることも重要です。
5,なるべく簡単にする
管理も動きも、なるべくシンプルにすること。
- ハンガーが使いにくい場合、フックなど引っ掛けるだけにする
- 今使っているものと 使っていないものに分けましょう
本来ならハンガーにかけてほしいのですが、ハンガーが使いにくい、ハンガーを出す→かけるという動作がめんどくさいのかもしれません。
まずは『床に置くのをやめる』という課題をクリアするために、『フックにかける』ができるようになること。
なるべく簡単なところから、ゆるく設定してみましょう。
また、量が多ければ多いほど、片付けが大変です。
まずは今現在、よく使っているものとそうでないものをわけていくところから、スタートしてください。
まとめ
いかがでしたか?
本人の特性に配慮しながらの片づけが、必要となってきます。
発達に凸凹を持っていたり、グレーゾーンと言われている子ども達は、
日々の暮らしの中で頑張り、
たくさんのストレスの中で生活をしています。
”片づけ”=”見た目が綺麗”
ということでなく、
生活の中のストレスをなくすことが一番です。
わかりづらい!めんどくさい!がなくなると、片づけもスムーズに行えます。
日々のストレスが軽減されたり、自分で出来ることが増えたり・・・
そうなることで自信がつき、自己肯定感も育ちます。
片づけで、自分も家族も嬉しい効果を実感してもらえると嬉しいです。
~この記事を書いた人~
ももいれいこ
ライフオーガナイザー®、発達障害住環境サポーター。現在 中学生 高校生の母親。自分自身もともとはお片づけが苦手でできなかったり、発達凸凹の子育てを経験し大変さを知って、そんなお母さんたちの役に立ちたい!笑顔を増やすサポートしたい!と思って日々奮闘中です。