時間を気にしながら、時間通りに動かないと気が済まないお子さんがいる一方で、○時までに家を出る必要があるのに、ギリギリまでご飯を食べていたりゲームをしていたりしているお子さんもいます。

「早くして」「時間だよ」などと、何度も声かけをしても、お子さんは食べるスピードを早めたり、ゲームを切り上げられなかったり、声かけによって機嫌が悪くなってしまったりすることもあるでしょう。

言いたくないけれど、ついつい言ってしまったり、根気強く何度も声かけをする日々、お子さんの機嫌に左右される日々が続き、疲れてきている親御さんもいると思います。

ここでは、時間が守れない(時間通りに動けない)お子さんの背景を知り、親御さんや周囲の人が工夫できる対応方法をご紹介していきます。

時間が守れない・時間通りに動けない理由

お子さんが「時間が守れない」理由として、いくつか考えられる原因があります。

時計が読めない

単純に時計が読めないだけの可能性もあります。中には小学校入学前から時計が読めるお子さんもいると思いますが、時計の学習は小学校低学年で学習するようです。生活の中で少しずつ身に付けて、時計が読めるようになってくるので、小学校低学年の間は時計が読めるようにサポートをしていくと良いでしょう。

時計は読めるけれど、時間の感覚(管理)が曖昧

時計は読めているものの、時計を見ても次の動きに移る必要があると判断できていないお子さんもいます。時計を見て次の動きの見通しをもてることは別の問題なのです。
例えば、「歯磨きは3分くらいかかるから、そろそろ歯磨きをしておかないといけないな」、「片付けに5分くらいかかるから、7時までに食べ終えよう」などと、次の行動のために、逆算して動くことは意外とお子さんにとっては難易度が高いことです。

今、何をすべきなのかわからない

登校までにどんなことをするべきなのかがわかっていない場合もあります。毎日のことだから、やるべきことはわかっているはずだと思いがちですが、やることが多いと何をするのか思い出せなくて、動けないまま時間が過ぎ去っている可能性もあります。

行動の組み立て方がわからない

何をしたらいいのかわかっていても、その行動をどう組み立てたらいいのかがわかりにくいこともあります。例えば、「朝ごはんも食べなきゃ、着替えもしなきゃ、歯磨きも!ゲームもしたい…」と思っている場合、何からやればいいのかわからなくなり、ゲームを先に始めてしまうこともあります。朝の限られた時間で優先順位を考えて組み立てるかを考えることは難しいことも考えられます。

約束の時間を忘れてしまう

単純に約束の時間を忘れてしまったり約束したこと自体を忘れてしまうパターンもあります。わざと約束を放置しているわけでもなく、本人は気を付けようと思っているのですが、忘れてしまうお子さんにとって「苦手なこと」の可能性があります。

1つのことに夢中になって、忘れてしまう

一つのことに集中しすぎて時間になっても気付かない(=「過集中」)状態になってしまうお子さんもいます。こだわりが見られやすい傾向があるので、集中しているときに「もう終わりだよ」「時間だよ」など突然声をかけられてしまうと怒りだしたり、パニックになったりすることがあります。

ケースごとのサポート方法

お子さんの「時間が守れない」原因をいくつかあげました。その原因に沿った対応方法をご紹介します。

時計が読めない

高学年になっても時計が読めていない場合は、普段使っている時計がお子さんに合っていない可能性があります。アナログ時計が読みにくそうな場合はデジタル時計に、デジタル時計が読みにくそうな場合はアナログ時計に変えて、変化があるかどうかを試してみるのはどうでしょうか。

時間の感覚(管理)が曖昧

『時計をこまめに見ながら生活する』というのは、小学校高学年くらいから少しずつできるようになってきますが、時間感覚が曖昧なうちは、前もって具体的な声かけをしてあげると効果的です。例えば、「歯磨きに3分かかるから、7時30分になったら歯磨きを始めてね」と声かけをしてあげることです。

この時に、アナログ時計が読みにくそうな場合は、『長い針が6になったら…』というように、時計の数字で示すのも1つの方法です。1回だけの声かけではなく、「歯磨きまであと5分だよ!」と、約束した時間の前にも声かけをすることで、時計を意識することにつながります。

もし、レベルを上げて、自分で考えて動けるようになってほしい場合は、お子さんに「着替えに何分くらいかかると思う?」と尋ねてみましょう。「○分」と答えが来たら、「そしたら、何時に着替え始めたらいいと思う?」など、お子さん自身に答えてもらえるような質問をしてみるのも効果的です。 それは、人に指示されるよりも、自分で決めた(答えた)言葉の方が行動に移しやすいからです。

ただし、お子さんが「歯磨きに10分かかる」などと、見通しが見当外れな場合もありますので、その時は、否定せず、「5分くらいで終わると思うよ」などと、やんわりと訂正し、少しずつ時間感覚が身につくようにするといいでしょう。

行動の段取りに迷う

あらかじめ、親御さんがやるべきことを取り組む順番を示してあげると迷うことなく取り組みやすくなるでしょう。お子さんの様子に合わせて、イラストや文字で示しておくと、親御さんも「次は何をすればいいかな?」という声かけと一緒に確認するのみになりますね。慣れてくると、お子さん自身が自分で確認するようになるかもしれません。

時間を忘れてしまう

「約束したよね?」「言ったよね?」などと、言いたくなりがちですが、本人は頑張って忘れないようにしているつもりなのに忘れてしまう傾向が見られる場合は、メモをとったり、誰かに教えてもらう、合図してもらう等の対応策をお子さんに提案してみましょう。

メモの場合は、
・自由帳などのノートに書く
・付箋に書く
・カレンダーに書く
などの方法があります。あるいは、抵抗がなければ手に書いてしまうというのも一案です。

お子さんの状況や生活環境に合わせて使える方法を提示して、選んでもらうのはどうでしょうか。選んだ手段を学校でも活用したい場合は、学校の先生にもご協力をお願いしてみると良いでしょう。

人にお願いしたり聞くことができるお子さんの場合は、「8時になったら教えてくれる?」「時間を忘れていたら声かけてくれる?」などと前もってお願いしておく方法を提案してみましょう。

人にお願いすることが苦手なお子さんの場合は、内容をメモしたアラームをセットしておいたり、学校生活の場合は親御さんから学校の先生にお願いしてみたり、お子さんと一緒に他の人にお願いできるように練習するのも良いですね。

過集中

時間を忘れてしまうケースと同じように、時間になったら教えて欲しいと他の人や学校の先生などにお願いできるといいですね。または、アラームをセットして時間の区切りを意識できるようにするのも1つの方法です。

途中でさえぎられることをとても嫌がる傾向が強いので、普段から「途中でも声をかけるよ」と本人と約束をしておくといいでしょう。また、時間で区切るのではなく、区切りのいいタイミングで終わりにできるように時間の調整ができるとよりスムーズです。

便利なサポートグッズ

ここまで、考えられるケース別に対応策をご紹介してきましたが、サポートするのに役立つグッズをご紹介します。

残り時間が目に見える時計

時間の長さの理解が難しいお子さんには、時間を「見える」ようにしてイメージできるようにすると効果的です。最初はタイマーを見ないお子さんもいるかもしれませんが、何かに取り組むときに、お子さんが見える範囲に設置し続けてみるといいでしょう。

時計だけでは効果が薄い場合は、「ネズミタイマー」もおすすめです。食いしん坊ネズミがリンゴをかじっていく表現で時間の長さを伝えてくれます。リンゴをかじっている姿を見てるだけでも楽しいので、食べ終わるのが遅いお子さんには食いしん坊ネズミと競争させてみるといいかもしれませんね。

ねずみタイマー - LITALICOアプリ

時間がわかりやすい時計

アナログ時計が読めるように練習したいと思っている場合は、1分単位の表示(00-59)、1時間ごとの「色分け」がされている時計はどうでしょうか。外から帰宅する時間のお約束をするときの練習にもなりそうですね。

時間割ボード

朝/帰宅してから/夜/などと、時間別にやることを分けてあると、「いつ」「何をするべきか」がパッと見てわかりやすくなります。やり終えたらマグネットを裏返して、「できた」という札が増えたり、終了BOXに終わったものを入れて札がなくなっていくというのが見えることでやる気が出たり動きやすくなるお子さんもいます。

メモ帳

その都度相談しながら決めたいときは、下記のようなメモ帳の活用がお勧めです。

とけいメモ - (株)おめめどう (ocnk.net)

とけい ミニ - (株)おめめどう (ocnk.net)

よていメモ - (株)おめめどう (ocnk.net)

親御さんが心がけたいこと

時間が守れるようになるために、お子さんのサポートをしていく時に親御さんが心に留めておきたいことがあります。

スモールステップで進める

朝やることをリストにして示しただけでは、お子さんも行動に移すのは難しいことがあります。「20分で朝ごはんを食べよう」と時間を意識させながら、1つの行動を促すような声かけをして、スモールステップでお子さんができることを少しずつ増やしていけるといいですね。取り組めたらプラスの声かけもセットでできるとお子さんもやる気が持続するはずです。

お子さんの意見も取り入れる

一方的に決められたルールや手順を示されると、お子さんも納得できないこともあります。お子さんの意見も尊重しながら、一緒にルールや手順を決めていくことをお勧めします。

言い方を工夫してみる

「早く○○に行きなさい!」と伝えた時、その時はサッと動くかもしれませんが、その場限りの可能性があります。「時間ギリギリに慌てて家を出ると、走って車とぶつからないか…と心配なんだよ」というように、親御さん自身が心配している気持ち(=Iメッセージ)をそのまま伝えてみるのはどうでしょうか。

また、時間を守ったときや守れなかったときに起こることを伝えて、見通しを持たせておくのも一案です。

例)
・「時間通りに家を出れたら、朝の会が始まる前にお友だちとおしゃべりができるよ」 「朝ごはんを20分で食べられたら、学校に行く前に5分遊べるよ!」などとメリットを伝えてみる。
・「家を出るのが遅くなったら、家から近い門が閉まって遠い門から入らなくてはならなくなるよ」というお子さんにとって不利になってしまうことを伝えてみる。

あるいは、お子さんが楽しみにしていることがある場合は、「今日は○○があるんだよね?」と楽しみにしていることを思い出させることで、行動に移しやすくなる場合もあるでしょう。

親御さんも時間に余裕を持っておく

お子さんと決めたことであってもスムーズにできないこともあります。「やってくれる」「できるだろう」という気持ちも持ちつつ、万が一のことも見越して、時間や心の余裕を持っておくことも必要になってくるでしょう。例えば、家を出る時間を5分早めに設定した流れで行動の手順を決めておいたり、お子さんの希望で取り組む流れを入れ替えるときは「先に○○をするなら、次に◆◆をしてね」と臨機応変に対応できるといいですね。

まとめ

・時間が守れない原因を観察してみる。

・サポートグッズの力も借りながら、お子さんと相談しながら対処法を決める

・お子さんへの声かけを工夫する。


自分の行動がどんな結果をもたらすのかを考えて行動することはどんなお子さんでも最初は難しいです。時間を守れると得られるメリットや時間を守れなかったことで起こるデメリットを伝えて、先の見通しを伝えて、自分が今何をすべきなのかを一緒に考えられるようになるといいですね。
でも、時間を忘れて没頭することも大事な経験なので、時間が守れないことがあっても大目に見れる親御さんの余裕もあると楽になるでしょう。

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