発達障害を持つ子どもの感覚の違い
発達障害の子どもは、ある感覚がとても敏感だったり、逆に鈍いことがあります。
例えば・・・
・シャワーを浴びるたびに奇声を発して嫌がったり
・セーターのチクチクが我慢できなかったり
・お豆腐やササミやうどんしか食べない子ども
・大勢の中で、耳をふさいだり、逃げ出してしまう子
逆に・・・
・流血するほどのケガをしていても、ケロっとしていたり
・どんな砂利道でも、素足で走り回る子ども
・熱々の食べ物や辛い物でもへっちゃら!
・冬でも、パンツ一丁な子ども(※)
このように、体に感じる情報を、上手に受け取ることができないことから、発達障害は感覚統合障害と言われることもあります。
好きな感覚、嫌いな感覚は、誰しもが持っているもの。
でも、好き嫌いを通り越して、本人が生きづらさを抱えていたり、親や周りの人が対応に困っているのであれば、それは 感覚の過敏や鈍麻だといえるのかもしれません。
【 変な子 】【 めんどうくさい子 】と決めつけずに、まずは子どもの過敏さや鈍麻さの理解を深めることが大切です。
具体的な症状とは?
次に、具体的な症状を感覚別にみていきましょう。
感覚の違いには、感覚が鋭すぎる“過敏”と逆に感じにくい“鈍麻”があります。
触覚
・シャワーが痛いと感じて、泣き叫ぶ(過敏)
・ケガをしても泣かない。後で発覚することがある(鈍麻)
・洋服の素材に敏感で、柔らかいものや天然素材のものしか着れない(過敏)
・カラダに感じる温度調節が苦手で、冬でも薄着(鈍麻)
※ この場合は、肌にあたる素材が苦手という過敏から来ている可能性もあります
聴覚
・両手で耳をふさぐことがある(過敏)
・にぎやかな場所で泣いたり、その場から逃げ出そうとする(過敏)
・声のボリュームの調節が苦手(鈍麻)
視覚
・カメラのフラッシュを怖がる(過敏)
・カメラのフラッシュの刺激に惹かれる(鈍麻)
・天気や照明などによって、ものや色の見え方が変わる(過敏)
・太陽など、まぶしいものを止めるまで見てしまう(鈍麻)
味覚
・同じものしか食べられない(過敏)
・苦手なものを食べると、吐き戻してしまう(過敏)
・辛いものや酸っぱいものも平気で食べることができる(鈍麻)
親ができること(簡単に)
感覚が過敏だったり、敏感だったり・・・
症状の度合いは、子ども(人)によって違います。
苦手な刺激を送り続けることで、慣れることは決してありません。
また、感覚過敏は、大人になっても改善するとは限りませんし、ストレスによって、出方が変化することもあります。
でも、過敏に関わる刺激を排除することは、過敏を軽減することにつながってくると、わたしは 何度も体現しています。
たかが、5分のシャワー。
たった、一口の嫌いなもの。
でも、たかが5分、たった一口の挑戦なら、辞める勇気も大切なのではないでしょうか。
まずは 本人にとって生きづらさを抱えていること。
助けを必要としていること。
ここを知ることが、一番の支援になると思っています。
参考になれば幸いです。
この記事を書いたひと
<おうち療育アドバイザー浜田悦子>
『元発達支援センター指導員』で『自閉症スペクトラムの息子の母』という2つの経験を生かし、同じ悩みを持つお母様方に、家庭でできる療育アドバイスや、カウンセリングを行っている。
日常生活や社会性の悩みへの対処法を、具体的に指導。
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