幼児教育歴20年の講師が教える!算数が苦手な子どもに「これならできた!」対策と成功事例
一般的に「算数が苦手」と聞くと、
「数字そのものが苦手」と思われがちです。
しかし、
算数が苦手な発達障がいのお子さんの場合、一般的な「苦手」とは種類が異なります。
お父さんお母さんの中に、お子さんの算数学習を見ていてこんなことはありませんか?
- 足し算、引き算を何度教えても理解しない
- 興味を持たない
- わからないから嫌になってしまう
- 苦手意識が強い
- 数を正しく数えられない
- 学年が上がることに周りとの差がでてきてしまった
私自身、塾講師をはじめ、幼児教育の教材開発や講師として20年以上子ども教育に携わる中で、多くの発達に凸凹のある子どもたちと、その親御さんをみてきました。
ここでは、
そんな算数が苦手なお子さんに対して、お家でできるサポートを具体的にご紹介していきます。
小さな「できた!」がたくさん増えて、苦痛だった算数の勉強が楽しみに変わると嬉しいです。
よくある悩み
では、具体的に発達障がいのお子さんによく見られる、「算数」に関しての悩みを見ていきましょう。
足し算・引き算ができない
足し算引き算は、いわばルール。
ルールを正しく理解し、記号にどんな意味があるのかが正確に理解できない場合、数を数えられても足し算引き算はできるようになりません。
また、視覚で計算できるうちは何とかなっても、桁が多くなるとできなくなることが多いです。
つまらない・苦手と感じている
できないものは、つまらないですよね。
努力してもどうにもならないのが、発達に凸凹のある子の特性とも言えます。
ふつうの計算はできないけど、文章題だとできたり、図形だとできたり。
算数のすべてができないわけではなく、今躓いている分野だけかもしれません。
暗記と理解が困難
算数において、最初のつまづきが目立ってくる九九。
発達障がいのお子さんの中には、「覚える」というのが苦手という子もいます。
また覚えたとしても、それが何か意味がわかっていない場合もあります。
九九そのものを歌のように覚えてしまえるような場合、覚えていても使うことができない・・なんてことも。
つまづいているものを見つける
単に「算数がきらい」「算数が苦手」といっても、
計算なのか、
暗記なのか、
理解なのか、
図形なのか、
数字なのか・・・
まずはどんなことにお子様が躓いているのかを、確認することが大切です。
記号や数そのもの、に意味を見いだせない
算数の計算分野が苦手なお子さんの場合、
計算以外の図形や、思慮深く考える問題は得意な場合があります。
つまり、+や-といった記号に意味を見いだせず、その結果なぜ計算せねばならないのか、を自問してしまうのです。
ルールを覚えられない
算数の勉強は、学年が低いうちは実際目で見たものを数字化しますね。
おはじきや棒を使って、足し算や引き算の式を表すやり方です。
時計も実際に針を動かして、目で見て理解することができます。
ところが、学年が上がるにつれて、算数は概念を教えるようになります。
時計であれば、今まで実際の時計の針を動かせていたものが、時間の概念を使って、頭の中で計算するようになります。
算数に苦手分野があるお子さんの場合、この「頭の中で考えるためのルールを覚える」というのが苦手な傾向にあります。
その結果、算数ができなくなってしまい、苦手意識が強まり、興味をなくしてしまうのです。
暗記が得意かどうか
先ほど、暗記することができるお子さんもいる、とお伝えしましたが、暗記することができるお子さんは、きっと暗記が楽しいのでしょう。
詩や歌を暗唱するように、九九もそらんじることができます。
ですから、暗記をできないお子さんの場合は、暗記が楽しくない、もしくは暗記分野に苦手があるのかもしれません。
そのような場合は九九に限らず、短文であっても暗記が苦手なことも多くなります。
おうちでできる効果的な3つのサポート例
では、おうちでどのようにサポートしていけば算数に効果的でしょうか。
以下は、発達障がいのお子さんも含め、算数や数が苦手なお子さんに対して私が幼児教室で実際に行っていた内容です。
数字をすべて絵にする
低学年の足し算引き算の概念の場合は、すべて絵でイメージしてもらいましょう。
100-1ができなくても、100このミカンから1つ取って食べたら残りは?というのはすぐ答えが出たりするのです。
概念が頭の中に映像として映るようになると、解けるのかもしれません。
そろばんや電卓を使用する
ひっ算で行わなければならない問題もありますが、そうでなければより簡単に答えを出せて、間違いにくい方法を習得しておくのも良いでしょう。
そろばんは手先を使うので、紙と鉛筆では飽きやすいお子さんも取り組めるかもしれません。
電卓やそろばんで簡単に計算できるという成功体験が積み重なれば、算数の苦手意識も改善していくことでしょう。
得意分野を伸ばす
同じ算数でも、子どもによって苦手分野もあれば、得意分野もあるはずです。
まずは小さな成功体験を積み重ね、本人の中に「算数=楽しい」をインプットします。
そのためには、
得意分野を見つけ、そこを伸ばしていくことが大切です。
「算数=楽しい」が身に付くと、多少取り組むことに難解なものも、取り組める時間が長くなったり、解けるようになったりします。
こんなことでうまくいった!実際の事例
割り算で躓いた3年生男の子
当時小学3年生の男の子の事例をご紹介します。
九九は暗唱でき、掛け算は理解できていましたが、割り算で躓いてしまったことがありました。
同じ数に分ける、という概念が頭に入っていかいないのです。
そのお子さんは、ふだんから謎解きのようなゲームやパズルが大好きでした。
なので、掛け算の掛ける数を穴にして、穴埋め問題をやったところ、スラスラできます。
「割り算は掛け算の反対なんだよ」といって、
掛け算の式を割り算にしたらニコニコ大喜びしました。
そこから彼は、元々あった掛け算の知識と割り算の概念を結びつけることによって、割り算を習得することができました。
計算の苦手意識が高い1年生女の子
小学1年生だった女の子は、繰り上がり・繰り下がりで躓き、お母さんが家で教えていたのですが算数に苦手意識を強く持っていました。
この子の場合は、10までの合成分解(5と5で10、10は8と2、など)は理解していましたが、それ以上の合成分解が理解できていなかったので、
ブロックを用いて20までの合成分解を毎回行いました。
またお母様には、
『家ではひっ算や計算プリントを一切行わず、口頭で問題を出してほしい』とお願いしました。
例えば、
15個入りのミニトマトのパックから8個取って、
「最初に15個あったんだけど、ママ何個取ったか分かる?」
こんな感じです。
目に見えると理解しやすいため、
繰り下がりでも計算ができます。
その子は、お母さんが出すクイズに正解するたびに褒めてもらったことが成功体験となり、その後の計算も苦手ながら頑張って取り組めるようになりました。
気づいた時が、スタート
お子さんの算数が苦手になっているのは、
お子さんのせいでも、
先生のせいでも、
気づかなかった親のせいでも、ありません。
「もっと小さいうちにいろいろやっておけばよかった」
「もっと早く気づいてあげられればよかった」
そう思って自分を責めて、
周りに追いつこうと焦ってしまう親御さんも多いと思います。
しかし、
ご両親がお子さんの学習を見ていて、客観的に躓きに気が付けることは少ないです。
なぜならわが子の勉強を見る場合、
「どうして(できない)?」
「なぜ(できない)?」と、
感情が先走ってしまいがちです。
その結果、
焦ったり、
叱責したり、
強制したり・・・
子どもにとっての悪循環がはじまるのです。
早ければいいものでもありません。
気づいた時からがスタート!で大丈夫ですよ。
まとめ
いかがでしたか?
上記の例はあくまでも一例にすぎません。
発達障がいのお子さんの苦手分野は、一言で算数と言っても局所的にできないところは十人十色です。
- 視覚に訴える
- 概念を見えるようにする
そうすることで、
比較的成功しやすいかと思います。
ぜひご家庭でも、視覚を意識してみてください。
〜この記事を書いた人〜
ペンネーム ぷり子
<プロフィール>学生時代に塾講師のアルバイトをはじめて以来、20年弱教育に携わる。幼児教育の教材開発や幼児教室の講師を10年勤めた中で発達障がい児にも関わってきた。現在は小学生2人の母。わが子の身近にいる発達障がい児の宿題などをサポートする。
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