自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?癇癪、こだわり・・よくある4つの悩み別対処法
自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?どのような特徴があるの?
ASDの子育ては、「こんな時、どうすればいい?」という悩みがつきません。
この記事では、その特性や診断名にについてだけでなく、今すぐ使える具体的な子育ての悩みに対しての対処事例と、親として何ができるのか?をまとめました。
ASDとは?
現在では、アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder)のことで、私達がよく耳にする、「発達障害」と言われる中の1つの名称です。
「発達障害」という言葉はよく聞きますが、正確には「発達障害」という疾患名があるわけではありません。
発達障害といわれる人たちの中には、
ASDの方も、
ADHDの方も、
学習障害(LD)の方も、
アスペルガー症候群の方も、
SCD(社会的コミュニケーション障害)といわれる方も・・・
いろんな特性の総称であり、その定義も未だに明らかになっていません。今後も変化していくと考えれています。
※この図ではわかりやすく理解していただくためにASDとADHDのみ表記しています。
ASDの主な特徴
現在ASDは、
- 社会的コミュニケーションの欠陥
- 限定され反復的な行動、興味、活動
の2分類にわかれて特徴づけられています。
かなりざっくりいうと、「人との関係作りが苦手」と「強いこだわりがある」といったところでしょうか。
・・・と言っても、
私自身の子どもを含め、
同じ「自閉症スペクトラム障害」と診断されたお子さまの話を聞いていても、本当に、千差万別です。
便宜上、障害名としてくくらないといけないのでしょうが、あまりにも個人差があり、また年齢によっても変化していくことから、くくりきれないというのが現状で、今後もこの概念は変化していくと言われています。
参考文献:「発達障害」 岩波明 著 / 「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 」日本精神神経学会監修
生まれつきの疾患
ASDを含む発達障害に関しての研究や認知が低かったころは、「親の育て方」や「性格の問題」と誤解されることも少なくありませんでした。
今は研究も進み、このような症状として出ている先天的な脳機能の疾患であることが、わかってきています。
原因は、様々な説がありますが、診断名や原因をつきつめていくよりも、どう育てていくかが子どもの将来に大きな影響を与えます。
こんな時どうすればいい?困ったときの対処法
最初はどうしても診断名や障害名を突き詰めていきたくなりますが、育てる親として結局大事なのは「こんな時どうすればいい?」ですよね。
以下、これまで2,000人以上の発達障害の子どもやその親御さんをサポートしてきた、おうち療育アドバイザーの浜田悦子先生に聞いてみました。
園、学校に行きたがらない
行きたがらないのには、必ず理由があり、決して甘えではありません。
本当に行くことが困難な理由から、身支度が苦手、給食当番が嫌…というような、大人にとっては【こんなこと!?】と思うことも。
どちらにしても、原因を探して取り除いてあげることが、解決への一番の近道です。
すぐに癇癪を起こす
癇癪が起こった時に、考えられる3大原因です。
- 十分な見通しがない、または、本人の見通しと違うことが起きた
- 本人にとって、耐えがたい刺激がある
- 周りの無理解や間違った対応によるもの
癇癪は、起こるたびに練習されると言われています。
癇癪が起こる前の行動を観察し、事前に対処することが必要です。
お友達に手をあげてしまう
お友達に手をあげると言っても、乱暴な子どもという訳ではありません。
- 自分の思い通りにならなかった
- 周りの刺激が耐えきれず、反射的に手がでた
そんな時、つい手がでてしまうことがあります。
理由は何であれ、大切なのは共感です。
手がでたことを肯定するということではなく、手がでた理由に共感すること。
その後に、手をあげずに済む方法を教えていくことが、子どもが自分自身で手をあげることはやめようと思える対処法です。
勝ち負けにこだわる
「負けたっていいじゃない」と言ってしまいがちですが、勝ち負けにこだわる子どもにとっては、負けることはこの世の終わりのようなものです。
ポイントは、
- ルールを正しく理解しているか?を確認し、視覚的に説明する。
- 親が負けてみて、負けてもやり直せることを見せる。
- 「負けても大丈夫」ではなく「負けたら悔しいよね」という共感。
子どもが自分の感情をコントロールできるようになるために、寄り添ってあげましょう。
※参考記事&動画
親としてできること
様々な情報があふれる中、親としてできることは何でしょうか?
子どもの特性を理解する
まずは、子どものことをしっかりと観察し、
- 何が苦手か
- 何に困っているか
客観的に”子どもを知る”ことです。
頭ではわかっていることも、
- どんな時に癇癪を起こしたか?
- どんな時にパニックになったか?
細かく観察してメモをとり、統計を取ることで、子どもの”苦手”が見えてきます。見えてくると、次にそれが起きないように、対策を取ることができます。
子どもの気持ちに寄り添う
誤解されやすい発達障害の子どもたちに必要なのは、「自分の気持ちがわかってもらえた」という安心感です。
「つらかったね」「痛かったね」「悲しかったね」
子どもの気持ちに寄り添い、共感することは、子どもの自己肯定感を育むことになります。
長所を見つけて伸ばす
発達凸凹、というぐらい、発達障害の子どもには、凹もあるけど、凸もあります。
親としては、どうしてもできない部分にばかり目がいき「なんとかしたい」と思いがちですよね。
「人と同じようにうまくできない」
誰よりもそう感じているのは、子ども自身です。
自己肯定感が低くなりがちな発達障害の子どもたち。どんな時も自分のことを好きでいられるために、長所を見つけて伸ばすことは、周囲の大人ができる大切なことの1つです。
1人で抱えない
泣きわめいたり、わがままを言う我が子が、かわいく思えないこともあるかもしれません。
「どうして私ばっかり、こんな思いをしなくてはならないの?」
お母さん自身が、泣きたくなりますよね。
世の中のお母さん方は、みんな上手に子育てをしているように見えて、できないのは自分だけ・・・
夫や親、近所のママ友には話せない・・・
誰にも相談できずに、1人で戦っているお母さんも多いと思います。
でも実は、同じように困っている方は、本当にたくさんいるのです。
1人になりがちな時こそ、積極的に発達障害に関するセミナーや勉強会、交流会に足を運んでみてください。外出が難しければ、ネットでの交流もあります。
私自身、子どものことを自分のブログで配信するようになってから、ブログを通して知り合った方と情報交換したり、励まし合ったりすることで、とても救われました。
自分の時間を積極的に作る
「私が産んだ子だから、私がなんとかしなくては」
私もそんな風に思って、子どもに集中した時期がありました。
そんな期間は、親子にとって一度は必要だと思っています。
でも、子どもにとっても、親の意識が四六時中、自分に向けられているのは、苦しいですよね。
意識して自分の時間を積極的に作ることで、子どものことも客観的に見られるようになり、すべてがうまく回り始めることも、あるのです。
「子どものためを思って、自分の自由時間を作る」
そんな気持ちで、いいのです。
まとめ
ASD(自閉症スペクトラム障害)とは、人との関係性の構築が苦手、興味へのこだわりや偏りがある・・など特徴が見られる発達障害の中の1つの診断名です。
ただ、この診断名に右往左往するのではなく、大切なのは目の前の子どもの状況をしっかりと把握すること。
ASDの子は、周囲を困らせているかもしれませんが、一番困っているのは本人だということを、忘れないであげてくださいね。
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